ファットバイクのタイヤを選ぶ時、タイヤの幅に気を取られがちになりますが、幅以外にも「転がり抵抗」や「耐パンク性能」といった見方もあります。
今回は「転がり抵抗」に焦点を当ててみたいと思います。
ファットバイクの転がり抵抗について
よくロードバイクのタイヤで「転がり抵抗が~・・・」などよく耳にしますが、マウンテンバイクやファットバイクではそんなに聞かない様な気がします。
そもそもブロックタイヤにて転がり抵抗なんて・・・といった感じでしょうか。せいぜいTPIの表記を参考にする位です。
あまり日本国内では転がり抵抗に関して検証を行っている機関が無いのですが、海外には各ブランドのタイヤを持ち込んで検証しているラボがあります。
今回はそのラボの実験結果から、ファットバイクのタイヤ購入の際に参考になりそうなデータをランキグ形式でご紹介します。
TPI・重量・転がり抵抗一覧表
4インチに焦点を当てたランキングになってます。8PSIを基準に並べてます。
シュワルベが圧勝ですね。
転がり抵抗は秀逸ですが、重量面でも高水準にあります。登坂時にアドバンテージになりますね。
転がり抵抗一覧グラフ
各ブランド共に空気圧が高くなれば当然の様に抵抗は下がっていきます。
シュワルベジャンボジムのライトスキンとスネークスキンは20PSIではほぼ同じ抵抗になってます。
グラフで見てもシュワルベシリーズが頭一つ抜けている状態ですね。
※bar=PSI/14.5で算出できます。
転がり抵抗試験の条件
- 77cmのドラム上にて120Wの電動モーターで試験
- ドラムの表面は平均的な路面をシミュレートする為、ダイヤモンドプレートで覆われてます
- 測定はArduinoマイクロコントローラと特殊ソフトウェアで測定
- Arduinoは30秒間ドラムを200RPMに保つのに必要な平均出力を計算します
- 30秒のウォーミングアップの後、試験は3回実施
- 42.5kgの負荷をかけます
- ブチルチューブ使用
- 摂氏21.5度~22.5度間での測定
TPIについて
TPIとは、Thread Per Inch(スレッド パー インチ)の略であり、ケーシング1インチ(2.54cm)あたりの繊維総数となります。
◆TPIが低いタイヤ
⇒1本1本の繊維が太く、タイヤ変形が少なく剛性が高い。一般的に硬い乗り心地の傾向。
◆TPIの高いタイヤ
⇒1本1本の繊維が細く沢山あり、タイヤがグリップが高く柔らかくしなやか。一般的に柔らかい乗り心地の傾向。
となります。
TPIが高いと価格も上昇傾向になりますが、近年販売されるタイヤは120TPIのモデルが多い様な気がします。
しなやかな乗り心地は、元々浮遊感がウリのファットバイクでは良いプラス効果です。
ただ、TPIの数値だけが乗り心地を決定する訳ではなく、コンパウンドも大きく影響してます。
※コンパウンド=トレッド部のゴム素材
TPIが高くてもコンパウンドが硬い素材を使っていれば乗り心地は「硬く」なります。
しかしながら、硬くても別の目的があって硬いコンパウンドを使用している場合もある為、この辺はご自身の使用目的に沿ったチョイスが吉となります。
最後に
今回の実験結果は4インチに絞った検証結果です。
トレンドになりつつある5インチクラスの検証結果は後日となりそうです。
タイヤ選びの際には、インチ数以外にも転がり抵抗といった視点で見てみても選ぶ楽しさが増えると思います。
(逆に気になってたタイヤがイマイチな結果だと、がっかりする可能性もありますが)
結果的にはシュワルベのジャンボジムがオススメって感じでしょうか。
ちなみに当方のDUDEの標準搭載タイヤでした(笑)ラッキー。
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