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【FATBIKE】チューブレスVSチューブタイヤ転がり抵抗比較

 

ファットバイクで最近人気のチューブレス化、もちろん軽量化としては有効な手段ですが、別アプローチとして転がり抵抗かの視点で見てみる事にしました。

今回は人気のタイヤ3種で、チューブレス状態とチューブ入り状態とで転がり抵抗の比較を行います。

 

チューブレス化にしたファットタイヤ

 

まず結論から言ってしまいますと、

チューブレス化すると、チューブ入りと比べて「転がり抵抗が減少」します。

更に言ってしまうなら「低圧方向に向かうにつれ、転がり抵抗差は大きくなります」

 

テスト条件

 

今回のテストは海外の研究機関で実施された案件となります。

同日に同じホイール、荷重、速度、および圧力で実施。

 

環境

  • 速度29km/h(18mph)
  • 荷重42.5kg(94.5lbs)
  • 測定時気温摂氏21-23℃(華氏70-73℃)
  • 77cmのドラム上で実施
  • 120Wの電動モーターで回転
  • ドラムスピードは200RPM
  • ドラムプレートはダイヤモンドプレート
  • コンピューターによる測定

インナーチューブに関して

 

  • インナーチューブ:Schwalbe SV13Jブチルインナーチューブ360g
  • リム:Whisky No 9, 内径65mm

 

チューブレスに関して

 

  • シーラント:60mlチューブレスシーラント使用
  • リム:Whisky No 9, 内径65mm

 

 

テスト用タイヤ

 

  • Schwalbe Jumbo Jim LiteSkin 26 x 4.00
  • Specialized Fast Trak Fat 26 x 4.00
  • 45NRTH Van Helga 26 x 4.00

3種類のタイヤを同じ条件でテストしての平均値と、個別のテスト結果を出してます。

単一の空気圧だけでは無く、高圧から低圧まで測定を実施。

 

テスト結果

 

総重量

 

今回のテストでは、空気漏れ防止の為10gのチューブレスバルブを使用。

チューブレス化のセットアップ時には、使用される「バルブ」「シーラント」の重量を加味すると、一般的なインナーチューブの重量からですと重量アドバンテージは、ホイールあたり300g~500g間のどこかに着地します。

今回の試験では、バルブ10g+シーラント60g(約)⇒70g、

インナーチューブの重量が390gなので、差し引き320gがアドバンテージとなります。

 

 

 

転がり抵抗

 

予想通りチューブレスにすると転がり抵抗が低下します。また、空気圧が低いほどチューブレス化のメリットが大きくなります。

テストされた3本のタイヤの平均を見ると、20psi/1.4barの高圧時は、転がり抵抗差が4ワット付近が平均のようです。

6psi/0.4barの非常に低圧時はチューブレス化の方が10ワット近いアドバンテージを出してます。

 

今回テストされた3つのタイヤから、チューブレス化の優位性は同等である事が判明してます。

以下の検証データより、インナーチューブからチューブレス化に変換するときに得られるメリットを大まかに示していると思われます。

 

ちなみに注目点があり、今回使用されたインナーチューブは既に「ライト」ブチルインナーチューブの重量に該当してますが、シュワルベはそれをライトチューブと指定していない事です。

他のほとんどのインナーチューブは500g近いと思われます。

シュワルベSV13J(390g)のインナーチューブ以外のチューブを使用していたとなると、チューブレス化は更なる恩恵を得られる事となります。

 

 

3種類のファットバイクタイヤの平均チューブレスアドバンテージ

 

※CRR(Coefficient of rolling resistance)=転がり抵抗係数

 

3種の各タイヤの詳細データ

 

Schwalbe Jumbo Jim LiteSkin 26 x 4.00

 

シュワルベジャンボジムのライトスキンはファットバイクタイヤの中では最も速いタイヤの一つです。

 

 

今回のテストでは6psi/0.4barの結果より、ジャンボジムの競争優位性は更に大きくなります。このタイヤでアスファルト道路をチューブレス化で走行すると、6psiではかなり速く感じるはずです。なにせ10ワット近くも変化がありますので。

 

 

 

Specialized Fast Trak Fat 26 x 4.00

 

スペシャライズドファストラックファットはシュワルベと比較すると少し遅くなります。空気圧6psi/0.4barに設定すると、チューブレスで45.1ワットになり、ジャンボジムの36.7ワットよりずいぶん高い数値となります。しかしながら、このタイヤはかなり厚めのサイドウォールを持っており、1.5mmもあります。この厚みはカット耐性が高くチューブレス化をする際にはメリットとなります。

 

 

 

45NRTH Van Helga 26 x 4.00

 

ヴァンヘルガは巨大なノブを有するタイヤで、強力なグリップを発揮します。このタイヤの特性はシュワルベとスペシャライズドと明らかに異なるものであるが、チューブ入りとチューブレス化の違いに特化して見れば他の2種類のタイヤとかなり近いものがあります。

 

 

 

まとめ

 

ファットバイクにて当然転がり抵抗は大きいものとなりがちです。しかしながらフレームをカーボン化やホイールの軽量化、可能な限り軽量化を行っているわけですが、そういった視点から見た場合、ファットタイヤのチューブレス化は有効な手段となります。

インナーチューブを取り除くだけで8psi/0.55barの空気圧でタイヤ前後で15ワット、6psi/0.4barの低圧なら20ワットもの労力を節約できます。

サイクリストの平均出力が200~250ワットになると想定すると、余分な出力を10%も節約できる計算です。

チューブレス化と聞くとどうしてもビート上げで苦労するのではないか?シーラントの量は?

など不安や面倒な面を考えてしまいますが、今回の結果からすればその面倒も難なくクリアできるのではないでしょうか。

今回ご紹介したSchwalbe Jumbo Jim Evo LiteSkinはバージョンアップした

Schwalbe Jumbo Jim Addix MTB Tyre - LiteSkinという商品も登場してます。

超人気タイヤにてなかなか入手が困難な状態になってます。wiggleよりCRCの方が安価になっている為、CRCは売り切れが頻発している状態です。

セール時は即売してしまいますので、購入を考えている方は入荷し次第購入してしまうのが吉かと思われます。

 

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