ついにコンチネンタルから最新型のタイヤが発売されましたね。
コンチネンタルグランプリ5000!
発売されて間もないですが、海外のラボで実験された転がり抵抗と耐パンク性能の検証結果が出てますのでご案内します。
コンチネンタルグランプリ5000
コンチネンタルグランプリ(以降コンチネンタルGP5000)は、過去10年間ロードバイクタイヤ市場を席巻していた「コンチネンタルグランプリ4000」シリーズの後継アイテムです。
コンチネンタルGP4000はグリップ力、耐久性、耐パンク性に優れ、転がり抵抗も非常に優秀であり真のオールラウンドタイヤです。
2018年11月に満を持して登場したコンチネンタルGP5000のサイズは、クリンチャーで23、25、28、32mmのラインナップがあります。
コンチネンタルGP4000シリーズには無かった「32mm」が注目されてます。
近年ワイドなリムが好まれる傾向にあり、タイヤもしかりです。
実際、海外通販のCRCでも32mmサイズのみが即売してしまっている状況です。
また、チューブレスタイヤもラインナップされ、こちらも非常に人気が高いアイテムとなってます。
CRCにては全サイズが完売状態でした。
GCN Techでレビュー動画が上がってましたので、一応載せておきます。
英語なので…悪しからず。
コンチネンタルGP5000のスペック
モデル | グランプリ4000SⅡ | グランプリ5000 クリンチャー | グランプリ5000 チューブレス |
---|---|---|---|
種別 | クリンチャー | クリンチャー | チューブレス |
価格レンジ | 普通~高額 | 高額 | 高額 |
TPI | 330 | 330 | 180 |
コンパウンド | ブラックチリ | 新型 ブラックチリ 対4000SⅡ 転がり抵抗▲12% | 新型 ブラックチリ 対5000WO 転がり抵抗▲5% |
幅 | 23C 25C 28C | 23C 25C 28C 32C | 25C 28C 32C |
重量 | 23c:205g 25c:225g 28c:260g | 23c:200g 25c:215g 28c:235g 32c:290g | 25c:300g 28c:345g 32c:370g |
トレッド パターン | 溝 | Lazer Grip | Lazer Grip |
振動吸収 機能 | なし | Active Comfort | Active Comfort |
最大空気圧 | 123psi | 120psi | 110psi |
パンクベルト | Vectran Breaker | 新型 Vectran Breaker 対4000SⅡ 耐パンク性能+20% | 新型 Vectran Breaker 対5000WO 耐パンク性能+5% |
コンパウンドの「ブラックチリ」はコンチネンタル独自のコンパウンドで、今回の5000には最新バージョンが採用されてます。
また、ショルダートレッドにはLAZER GRIPと呼ばれるレーザーで加工されグリップ力が向上してます。
更にActive Comfortは振動吸収を目的とされた4000SⅡにはなかった新技術。
硬いと言われてきたコンチネンタルによもやの振動吸収性能が!
Vectran Breakerは4000SⅡにもありましたが、今回はパワーアップして対4000SⅡで耐パンク性能が+20%も向上してまます。
そしてお次はチューブレス。
ケーシングは3層構造で180tpiとなってます。クリンチャーとの違いは気密性を高める為にインナーライナーがあり、TLとしての機能を果たせる様になってます。
それら以外はクリンチャーと同じとなってます。
今回のテストタイヤ
今回は新登場のコンチネンタルGP5000の25mm、コンチネンタルGP4000SⅡの25mmの比較となります。
転がり抵抗試験
転がり抵抗試験は、同様の試験条件が可能な「転がり抵抗試験機」で実施してます。
個体ごとで若干ばらつきが出ますが、以下が実測値となります。
項目 | 実測値 |
---|---|
実際の 重量 | 221g |
実測幅 | 26mm |
実測高さ | 24mm |
タイヤ厚み | 2.8mm |
サイド厚み | 0.55mm |
重量に関しては誤差が+6gであり、タイヤ幅は26mmと従来のコンチネンタルグランプリタイヤでは25C では27mmが定番だっただけにちょっと意外な展開です。
トレッドの厚みは2.8mmとなり、GP4000の2.9mmに近い状態を維持。サイドウォールも0.55mmでGP4000と同一。
これらは転がり抵抗の向上のために更に薄い方向へ向かっておらず、オールラウンド系タイヤの一般的な2.5~3.0mm厚の間に収めている状態です。
実際の転がり抵抗の実験風景がこちら。
転がり抵抗の実験条件
- 77cmの電動で稼働するドラム上に設置。ドラムはダイヤモンドプレートで覆われているタイプ。
- 30分のウォームアップの後、3回の測定を実施
- 42.5kgの負荷
- コンピューターにより抵抗測定
- ブチルチューブ
- 室内温度は21.5~22.5℃
転がり抵抗の実験結果
インナーチューブ | Conti Race28 (100grブチル) |
転がり抵抗140 psi / 9.7 Bar | 未実施 |
転がり抵抗120 psi / 8.3 Bar | 10.0ワット CRR:0.00300 |
転がり抵抗100 PSI / 6.9 Bar | 10.7ワット CRR:0.00321 |
転がり抵抗80 PSI / 5.5 Bar | 12.1ワット CRR:0.00363 |
転がり抵抗60 PSI / 4.1 Bar | 14.2ワット CRR:0.00426 |
販売元のコンチネンタルは従来品に比べ12%低いと宣伝してます。
今回の実験では120 psi / 8.3Barの空気圧実験では最大で18%もの抵抗が向上している事が発覚。
80 PSI / 5.5Barでは12%の向上が見られました。
120 psi / 8.3Barの最高空気圧実験で出た転がり抵抗10.0ワットはこのラボで実験されてきた過去のロード用タイヤの中でも歴代4位の好成績となりました。
トレッド厚が2.8mmという厚さからパンクもしないという、またしても「パンクしないタイヤ」の異名を維持しつつ、転がるタイヤの栄誉も手にしてしまった感じでしょうか。
ちなみにコンチネンタルシリーズで最高の転がり抵抗を持つタイヤと言えば、「グランプリTT」です。
転がり抵抗はたったの9.9ワット。重量は179g、1.9mmしかないトレッド厚は完全に「転がり抵抗向上」に振った設計となってました。
耐パンク検証
お次は耐パンク性能の検証となります。
販売元は耐パンク性能が20%アップしたと宣伝してますが、実際はどうなのでしょうか。
耐パンク実験の実験条件
厚さ1mmの鋼製針を使用して、加重していきます。
実験箇所はトレッド中央部分、サイドウォール部分で合計5回実施。
穴が完全に空くまで加重をかけていき、その加重度合いからスコアを出す方式。
耐パンク性能の実験結果
結果として、前作GP4000SⅡよりトレッド、サイドウォール共に1ポイント落としてしまった結果でした。
項目 | GP4000SⅡ | GP5000 |
---|---|---|
トレッド | 11 | 10 |
サイドウォール | 5 | 4 |
販売元がどの様な実験方法で耐パンク性能が向上したと判断したのは不明ですが、今回の実験方法は過去のGP4000SⅡも同様の条件で行っている為、妥当性としては問題無い結果となりましたね。
まとめ
今回の実験より、転がり抵抗向上と耐パンク性能の両立は極めて難しく、今回販売元は両者共に向上したと宣伝はしているものの実際は難しかったみたいですね。
でもポイントは落としましたが、ほぼ現状維持といった感じではないでしょうか。
これにより、転がり抵抗が向上した分、更に実験では検証が出来なかった「振動吸収性能」、「Lazer Grip」によりグリップ力、「チューブレス化」、更に昨今注目を集めている「太めタイヤ(32C)」のラインナップ化。
これらのメリットにより更にコンチネンタルグランプリがパワーアップした事になるのではないでしょうか。
転がり抵抗と耐パンク性能だけでもトップクラスにて、今後も高い人気を維持し続けると思われます。
4000SⅡなど長年使用していたユーザーはどの位の変化があったのは試してみると違いが分かりやすいかと思います。
現在の入手可能な所は、海外通販も国内通販も購入可能です。
現在の価格は海外も日本も拮抗してますので、お好みのショップで購入してありかと。
お得感のあるのはPBKで、最安値かつチューブが無料プレゼントで付いて来る場合がある模様です。
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